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AVR ATtiny2313 で ハイブリッドDC-DCコンバータ (1)
DC電源の出力を一定電圧まで降圧させて使用したい場合、三端子レギュレータを用いれば安価かつ簡単にできるが、入出力の電圧差に比例して損失が大きくなるのが頭の痛いところ。例えば12Vを5Vに降下させて使用する場合は半分以上を熱にして捨てていることになり、発熱の不快さもともかく、その不効率さは21世紀の現在ではおいそれと許容できない。

以前、雑誌付録のスイッチングDC-DCコンバータを試用する記事を書いたが、効率を改善するために現状ではやはり「スイッチング降圧方式」がもっとも現実的な選択になるだろう。

この方式は出力側の電圧が一定になるよう電源供給バルブを開閉させるのが原理で、基準電圧と出力電圧を比較し電源供給バルブを制御する機能が必要不可欠。基準電圧部には分圧抵抗やシャントレギュレータ、比較制御部にはオペアンプやコンパレータといった部品の使用が一般に想定されるが、改めて考えてみると熱損の多い三端子レギュレータも安定簡単な基準電圧源としては優秀であるし、比較制御部はこれまでいろいろいじくってきたマイコンでも構築できるだろう。

そんなわけで、三端子レギュレータ搭載のスイッチングレギュレータという、ある意味ハイブリッドなDC-DCコンバータを製作してみることにした。

①回路
ハイブリッドDC-DCコンバータ 回路図
Vin:部品定格からはDC7~20V、推奨はDC7~16V。
Vout:DC5V
ATtiny2313:AVRマイコン ATtiny2313-20PU/スイッチング制御用
78L05:三端子レギュレータ μPC78L05J(5V出力)
                 /基準電圧生成及びATtiny2313駆動用
Q1:P-ch MOSFET 2SJ377/Vout制御用
TR1:NPNバイポーラトランジスタ 2SC1816 2SC1815(GR)/Q1制御用
L1:インダクタ(トロイダルコイル)430μH/出力リプル低減用
C1:470μF(電解)/給電安定用
C2:0.1μF(セラ)/78L05出力安定用
C3:470μF(電解)/出力リプル低減用
C4:0.1μF(セラ)/ノイズ除去用
D1:汎用型/78L05保護用
D2:高速型/インダクタ蓄電戻し用
D3:高速型/出力電圧帰還用
LED1:緑φ3/出力安定兼確認用
R1:10kΩ/ATtiny2313安定用
R2:1kΩ 10kΩ/TR1ベース電流制限用
R3:100kΩ/TR1安定用
R4:1kΩ/Q1ゲート制御用
R5:1kΩ/Q1ゲート制御用
R6:1kΩ/LED1用
VR1:1kΩ(半固定)/基準電圧微調整用
SW1:1回路開閉トグルスイッチ/給電ON-OFF用
【MEMO】
・78L05 はATtiny2313駆動と基準電圧生成にのみ利用し、Voutから出力される電流には介さない。
・ATtiny2313はRC内蔵オシレータを使用するためXTAL等の発振子は外付けしない。
・VR1は基準電圧調整用の半固定抵抗であるが、積極的にボリューム化すれば電圧可変出力型にできる(ただし5V未満)。
・Q1はPNPパワートランジスタで代用できるが、発熱が大きく効率は上がらない。逆にON抵抗のより小さいFETに置き換えれば発熱は小さくなり効率は上がる。
・この回路作成後、初めて使用する場合は5V以下から徐々に可変昇圧して入力し、定圧出力が得られるかテストされることをお勧めする。部品の接続間違いで許容以上の電圧がマイコンに掛かると昇天するため。

②プログラム
マイコン用プログラムは BASCOM-AVR で作成。わずか 16行 13行。

ハイブリッドDC-DCコンバータ プログラム

【MEMO】
・ATtiny2313 はクロックが既定で 「RC内蔵オシレータ・8分周」 に設定されているため、回路作成後プログラム書込前に ヒューズビットを 「RC内蔵オシレータ・分周なし」 に書き換える必要がある 。また「リセットからの付加遅延時間」を 65ms(既定値)→ 0msに変更、「BODリセット設定」を 無効(既定値)→ 4.3V に変更した。
・PWM出力の利用や割込制御をかける方法なども考えられるが、動作スピードを重視して複雑な処理を避け、できる限りシンプルなプログラムとした。

③測定と考察
ハイブリッドDC-DCコンバータ 出力波形
上は Vin=DC12V、Vout=DC5V×640mA 出力時の出力オシロ波形(縦軸 1V/grid、横軸 50μsec/grid)。部品の選択や配置の試行錯誤によりこの程度の出力時でもリプルをかなり押さえることができるようになった。正直ここまでいけるとは思っていなかったのでこの結果にはかなり満足している。

また同出力で連続給電させるとQ1(MOSFET)の表面温度は50℃近辺で飽和した(放射温度計で測定/室温18℃)。インダクタンスはあまり発熱しなかった。この先ずっと出力を上げていくとリプルや発熱がどうなるかは現在のところ未検証であるが、特別な放熱対策なしに利用できるのは700mA位までではないかと推測する。ちなみに部品的な上限はインダクタ定格の2Aまで。

この回路での効率を三端子レギュレーターで直接降圧させる場合と比較してみた。

条件:入力DC12V、出力DC5Vで同じ負荷を接続

 ◆三端子レギュレータで直接降圧した場合
   消費電力 = DC12V×360mA = 4.32W
   三端子レギュレータの特性より 効率 = 5×100÷12 = 42%
   (実負荷は4.32×5÷12=1.80W と算出される)

 ◆ハイブリッドDC-DCコンバータ使用の場合
   消費電力 = DC12V×200mA = 2.40W
   実負荷=1.80W より 効率 = 1.80×100÷2.40 = 75%


実際は負荷の大きさによって効率は微妙に変わってくるが、3割程度は効率改善しているという結果である。もしON抵抗が1ケタ以上低いMOSFETに置き換えればさらに効率を上げることができるだろうが、何せ値段が高い。 その後いろいろと実験してみたところ、このスイッチング周波数と入出力条件下で Q1(MOSFET)はON抵抗による損失よりもスイッチング損失の方が支配的であるため、よりスイッチング特性の長けたものに置き換えれば発熱が押さえられさらに効率は上がると考えられる。ただ既にイニシャルコストでは三端子レギュレータの10倍ほどかかっているし、出来合いの高出力DC-DCコンバータもリーズナブルなものが出ているので費用的には割に合わない。それでもマイコンのプログラムを変更することで諸調整やいろいろな実験ができるという点でメリットはある。気休めだが(笑)。

→ (2)へ続く。。。

変更履歴:
09/04/09 回路図及び記事更新
09/04/17 ヒューズビット「リセットからの付加遅延時間」を変更
09/05/13 ヒューズビット「BODリセット設定」を変更
09/06/05 プログラム変更
09/06/08 TR1 品番誤記修正

タグ : 安定化 電源 降圧 DC コンバータ MOSFET 三端子レギュレータ マイコン 5V 12V

2009-03-06 00:05 マイコン応用
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